LESSON 2-8 パーソナリティタイプの関係性

ホランドの理論が六角形モデルを用いているのは、その配置、関係性に大きな意味があるからです。
六角形の詳細と関係性を紐解いていきましょう。

スリー・レター・コード

人は前述した6つのパーソナリティ、環境タイプに分類されると説明しましたが、人はこの中で一つの特徴しか持たないわけではありません。
ホランドは、6つのパーソナリティのうち強い3つの文字を並べると、簡単に性格を説明できると考えました。例えば、現実的・研究的・芸術的の性質の頭文字をとると、R-I-Aとなります。これがスリー・レター・コードです。
それぞれのパーソナリティの特徴は、六角形に図のような順に並べられます。

ホランドの六角形(正式なものとは異なる説明用)

ホランドの六角形(正式なものとは異なる説明用)

この図の中で、例えばRとI、CとEのように、隣り合っている性質は心理的な類似性が高いと考えられ、例えばIとE、RとSのように、逆に対角線上にあるものは相反する性質だと考えられます。その中間、例えばCとS,IとCはその2つの中間で、異なってはいるが真逆ということはないと考えられます。
ホランドはこの考えに基づき、スリー・レター・コードごとに適合性の高い職業分類を作成し、クライアントのスリー・レター・コードを判定することで適切な職業のアドバイスができるようにしました。
例えば、銀行の出納係のスリー・レター・コードは、C-S-Eであるとしました。
様々なテストやクライアントの自己診断により、その人のスリー・レター・コードはわかります。もしAさんのスリー・レター・コードがC-S-Eならば、Aさんは銀行の出納係にぴったり、というようなことです。また、上の類似性や相反する性質、ということを考えると、R-C-Eのスリー・レター・コードであるBさんはまあまあ出納係に適正があり、R-I-AのCさんは出納係には全くもって不向き、というような判断ができることになります。
もちろん、このコードだけで適正が完全に決まってしまうわけではありませんが、職業選択に迷っている人に貴重な示唆を与えるという意味で、明確でわかりやすいこのスリー・レター・コードの考え方は有用なものと言えるでしょう。