目標が決定したら、より具体的な行動に移る準備をしていきます。
ステップ5 課題の特定
課題の特定は、クライアントが設定した目標をより効果的に達成することを可能にするためにはどのようなアプローチ方法があるか、どのような情報がさらに必要かなど、目標達成のための課題を特定するステップです。
クライアントは選択肢を見つけ出すための情報を必要としているため、カウンセラーが持っている範囲の情報を提供したり、雑誌や役立つ情報サイト、専門機関など他の情報源となるものを紹介していきます。
キャリアカウンセリングにおいてはどのステップにおいても、適切な情報の有無が鍵を握っています。キャリアカウンセラーはクライアントの選択肢となる最新の産業情報や企業情報、労働市場、求人情報などのキャリア情報に関心を持ち、常に情報収集する必要があります。
ステップ6 行動計画
目標達成のための行動計画では、目標は何か、達成するためにはどのようなアプローチを行うか、アプローチプロセスにおける各ステップの達成基準、スケジュール、達成日を明確にします。行動計画では、「何を」「いつまでに」「どれくらい」「どのように」の4要素が含まれていることを必ず確認しましょう。
「いつまでに」は特に大切です。締め切りの無い状態では人は行動を起こさないため、期日を決めその到達スケジュールに合わせ計画を立てなければいけません。その期日までに可能な達成目標を決め、小さな目標の積み重ねの達成過程を経て、大きな最終目標にいたることをクライアントにもよく理解させた上で計画を立てましょう。
カウンセラーは「何を」「いつまでに」「どれくらい」「どのように」の4要素をクライアントに質問してクライアント自身に考えさせ、クライアントと一緒に無理のない現実的な計画を確認しながら作成します。この段階で一方的にカウンセラーが計画を提示してしまうと、本人が自分で作った計画という責任感を感じない計画になってしまいますので、必ずクライアントに考えさせることが必要です。行動計画作成過程においてまだ必要な情報が不足している場合には、前のステップに戻り情報収集を行うなどして再度検討しなければなりません。
ステップ7 フォローアップ、カウンセリングの評価、関係の終了
行動計画を定めたら、あとは実行に移る段階です。
目標達成に向けた行動計画が上手く進んでいるか、進捗状況を確認しながら、その過程で問題が発生した場合には相談に乗り、新たな情報が必要であれば提供したり、問題解決のサポートを行うというステップに進みます。上手く進んでない場合には実行状況を見ながら、原因を探り解決できるできるものは処理のサポートを行っていきますが、目標や達成基準、達成計画そのものの見直しが必要な場合もあります。その場合、スタートに戻って全体を再度見直し、目標、計画を部分的に修正することも必要です。
設定した目標が順調に達成された場合には、キャリアカウンセリングにおけるカウンセラーとクライアントの関係の終了に向けた話し合いを行います。その話し合いの中で目標は計画通りに達成されたか、何か部分的に未達成のものはあるかなどクライアントにこれまでを振り返らせ、客観的に達成度やその過程の評価を行ってもらいます。その上でクライアントの合意のもとキャリアカウンセリングを終了します。その後はできれば電話やメールなどを活用し連絡を取り、クライアントの適応状態やその後の様子、変化などをフォローし、今後も継続して支援が必要かどうかを見極めていきましょう。
キャリアカウンセリングは、このような一連のステップを通じて行われます。
それぞれの段階の趣旨をよく踏まえ、ひとつずつ丁寧に行っていきましょう。