LESSON 5-2 面接のテクニック

前レッスンで紹介した以外のテクニックやポイントを説明していきます。

明確化

繰り返しや要約をする際は、クライアントの話したことをそのままの形で繰り返すのではなく、明確化を行うことが大切です。明確化とは、クライアントの話す内容について、正しい文章にして伝える、適切な言葉に置き換えて伝える、言葉の順序を置き換えて伝えるなどより明瞭に理解できる表現にして伝えることです。
このように言い換えを行うことで、はっきりと意識化していない感情や気持ちをクライアントが理解しやすくなり、意思決定の後押しをします。

質問をする

上手に質問をすることによって、クライアントの気持ち、欲求、価値観、問題点、目標、行動計画などを引き出しましょう。質問には、はいといいえで答えられない開かれた質問(オープン・クエスチョン)と、はいといいえで答えられる閉ざされた質問(クローズド・クエスチョン)があります。オープン・クエスチョンは「どのような仕事に就きたいと考えていますか?」といった質問で、クローズド・クエスチョンは「今の仕事に満足していますか?」といったような質問です。
オープン・クエスチョンを上手に使うことで、クライアントの考えを促すことができ、カウンセリングを上手にリードすることができます。答えが漠然としている場合には質問をして突っ込み、話をより明確化し掘り下げていくことでより多くの情報を引き出せます。クローズド・クエスチョンは内容を確認したり、カウンセラーの意図に従って情報を引き出すことができます。質問するときには、相手の反応をよく観察し、クライアントの反応を見ながら質問の仕方、質問の内容を臨機応変に変え、柔軟に対応することが大切です。

沈黙を大切にする

カウンセリングの過程ではクライアントは時々沈黙することもあります。慣れないうちは、クライアントが沈黙してしまうと気まずさに耐えられず、カウンセラーは何とかこの沈黙を解消しようとしがちです。しかし、クライアントの沈黙には色々な意味があり、ただ黙っているわけではありません。沈黙の意味には以下のようなものがあります。

  • 言葉にならない気持ちや感情を味わっている。
  • 自分の考え、抱える問題などを整理したり、まとめている。
  • カウンセラーにどのように説明しようか考えている。
  • カウンセラーの抵抗や拒否を感じている。

したがって、沈黙には意味があり、沈黙の時間も大切にし、クライアントが再び話し始めるまでじっくり待つことが望ましいです。沈黙が長すぎるような場合には、焦らずに質問を再度繰り返したり、これまでの話の要約をまとめて繰り返すと良いでしょう。

コンフロンテーション

コンフロンテーションとは対決のことを指します。他の受容、肯定等の心地よいコミュニケーションではなく、必要に応じてあえてリスクを冒し相手が気づいていない矛盾や曖昧さ、葛藤などを率直に指摘する行為をいいます。
クライアントのこうした矛盾や曖昧さは本人が意識している場合もありますが、無意識で認識されていない場合もあり、このような場合には怒る、不機嫌になるなどの心理的抵抗を示す場合があります。コンフロンテーションは、恐れや不安、心配、受容しがたいこと、触れたくない問題、などのクライアントが避けたいと思っていることに関わらせようとし、問題に直面することで解決を促そうとする方法なので、場合によってはクライアントが不愉快に感じる可能性もあるということです。
クライアントが自らよく考えるきっかけを提供することが必要な場合に効果的です。