クライアントに関するキャリア情報の収集を行うことは、キャリアカウンセリングの必要条件になります。クライアントに関する正しい情報なくしては次のカウンセリングステップに移行することはできません。クライアントに上手に質問しながら、これまでのキャリア、今後のキャリアの方向性、ニーズなどについて詳しく尋ねる必要があります。キャリア情報についてクライアントから収集するべきものは下記のようなものが挙げられます。
- 学歴。学位や得た資格、活動など。
- 職歴。そこでの役職や具体的職務内容、評価された業績、給与、前職を辞めた理由など。
- 学校や職務を通してこれまでに獲得した経験や知識、スキル、資格など、その中で広く汎用性のあり、他にも移行可能な有効活用できるスキルはあるか。
- 将来のキャリアに関する興味や関心のある分野、職業、職務内容、キャリア目標とその優先順位、その根底にある価値観、人生観、自分のキャリアニーズは何か。
- 家族状況に今後のキャリア選択に影響したり、障害になると予測される状況はあるのか。
- キャリア選択上で強みとなるもの、プラスとなる強みは何があるか。経済的余裕、時間的余裕、豊富な人脈、育児や家事をサポートしてくれる人はいるかなど。
- キャリア選択上で障害となるもの、阻害要因となるものはあるか。それは何か。
このような内容は、事前に質問シート、履歴書のようなものに記載してもらっても構いません。量があまりにも多い場合は口頭で説明してもらうよりも効率がよくなります。また、この段階で欲しいのは基本的な情報です。
このようなことを答えるのに慣れていないクライアントは、詳しく内容を上手に書けないかもしれませんので、データで提出してもらっても詳しい内容がなく理解が進まないような場合には、直接詳しいことを聞いて補足していくことも必要です。